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【特集】他者を楽しませ、自身も楽しむ「笑って減災なまず流」ー「たかしま災害支援ボランティアネットワークなまず」の活動に見る「新しい公共」の力の可能性(1)

2011.02.24

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 「平成22年版防災白書」は、「『新しい公共』の力を活かした防災力の向上」をテーマに巻頭特集を組んだ。「新しい公共」とは、政権交代後の鳩山前首相が重視した理念であり、教育や福祉、防災などの公共サービスに市民やNPO、企業などの積極的な関与を図ろうとする。政府は有識者から成る「新しい公共」円卓会議を設置して議論を進めている。鳩山内閣を引き継いだ菅首相も、この取り組みがもつ雇用創出の可能性に言及して、優先すべき政策課題であると表明した。

 白書の特集に戻ろう。特集は、1995年に発生した阪神・淡路大震災について、「新しい公共」の力の重要性を認識させる災害だったと指摘する。大規模災害への対応は行政だけではまったく不十分であり、個々の住民、地域社会、企業やNPO がそれぞれに支え合い、助け合わなければならないことを如実に知らしめたからだ。また、この災害で被災地に入ったボランティアは延べ130万人。この年が後に「ボランティア元年」と称されるようになったことにも触れている。特集では、大震災後に全国各地で広がるボランティア、学校、企業などさまざまな主体の防災に関する活動を紹介しながら、これらに防災分野における「新しい公共」の具体的な現れを見ている。

 災害ボランティアの事例として紹介されているのが、滋賀県高島市に本拠を置いて活動する「たかしま災害支援ボランティアネットワークなまず」(太田直子代表)だ。発災時のボランティアだけでなく、平常時の防災啓発活動にも精力的に取り組む。子どもや高齢者などの対象別に多様な啓発プログラムを開発し、地域出前講座「笑って減災なまず流」と銘打った防災学習会ではそれらを効果的に組み合わせたメニューを提供する。防災に関心の薄い参加者が楽しく参加できるノウハウを詰め込んだ講座は、週末ごとに県内外各地に招かれるなど引く手あまたの人気。旺盛な活動は2009年に「第13回防災まちづくり大賞総務大臣賞」「平成21年防災功労者内閣総理大臣表彰」を相次いで受賞するなど注目を集めている。

 今回は、なまずを立ち上げ、精力的な活動を牽引する代表の太田直子さんにインタビュー取材をした。なまずの活動にかける思い、災害ボランティアとしての太田さんの考え方を聞きながら、防災における「新しい公共」の在り方のヒントを探ってみたい。

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