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台風が多発、8月には9個が発生

2018.10.17

この夏は台風が多かった。8月、9月はそれこそ毎週のように台風が発生し、日本に近づいていたような印象がある。

今年の台風の発生状況はどうなっているのか、気象庁がまとめている台風に関する統計資料で調べてみた。

今年、上陸した台風は5個 、すでに平年の倍

今年は9月までに合計25個の台風が発生している。台風の発生数の平年値は25.6個だから、今年はすでに、いつもの年の1年分の台風が発生していることになる。

特に集中したのは真夏の8月で、25個のうちの9個が発生した。次いで多かったのが7月の5個、6月と9月にはそれぞれ4個が発生した。

気象庁の資料によると、月間発生数が最も多かったのは1966年8月の10個。今年8月の9個は、月間の発生数としては2番目に多く、めったにあることではない。実際、ひと月で9個の発生は1994年8月以来、24年ぶりのことだった。

日本列島に上陸したり、接近したりする台風が多いことも今年の特徴だ。気象庁は、台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸に達した場合を「上陸」、台風の中心が各地域の気象官署から300キロ以内に入った場合を「接近」と定義している。

今年の台風の上陸数は、これまでのところ5個。過去の記録を見ると、最も多かったのは2004年の10個、次に多かったのは2016年などの6個で、上陸数5個はこれらに次ぐ記録となっている。

一方、今年の台風の接近数は15個。これも過去に最も多かったのは2004年などの19個で、以下2012年の17個、1955年の16個などとなっている。

台風の上陸数および接近数の平年値はそれぞれ2.7個と11.4個。今年はいずれも、9月末の段階で大きく上回っていることになる。

「非常に強い」台風が連続して上陸

甚大な被害をもたらした台風もあった。

9月4日12時ごろ、「非常に強い」台風21号が徳島県南部に上陸した。上陸時の中心気圧は950ヘクトパスカル、最大風速は45メートル/秒。非常に強い勢力を保ったまま台風が日本本土に上陸するのは1993年の台風13号以来25年ぶりのことだった。

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台風の接近と通過に伴って、特に四国、近畿地方は、猛烈な風と雨に見舞われた。

高知県室戸市室戸岬では最大風速48.2メートル、大阪府の関西国際空港では最大瞬間風速58.1 メートルを観測した。全国927の風の観測地点のうち観測史上1位を更新したのは、最大風速が55地点、最大瞬間風速が100地点に上った。

海上は猛烈な「しけ」となり、大阪湾や紀伊水道の沿岸では記録的な高潮を観測した。これまでの最高値を上回る潮位を観測したのは6地点。大阪市や神戸市では、1961年の第2室戸台風の際に観測した過去の最高潮位の記録を57年ぶりに更新した。

関西国際空港では、高潮で滑走路やターミナルビルが浸水、タンカーが衝突した連絡橋が破壊され、旅客らが一時孤立する騒ぎとなった。大規模な停電や断水が発生するなど、ライフラインにも大きな影響をもたらした。

総務省消防庁の10月2日現在の集計によると、この台風によって全国で14人が亡くなり、954人が重軽傷を負った。住家被害は全壊26棟、半壊189棟、一部損壊5万83棟に及んだ。

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25年ぶりに起こった事象が、短時日のうちに繰り返された。「大型で非常に強い」を保った台風24号の上陸だ。非常に強い台風が同じ年に2度も上陸するのは、気象庁が統計を取り始めてから初めてのことだった。

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マリアナ諸島付近で発生した台風24号は非常に強い勢力で沖縄地方に接近した後、北東に進んで9月30日20時ごろに和歌山県田辺市付近に上陸、東日本から北日本を縦断。南西諸島や西日本・東日本の太平洋側で猛烈な風が吹き、和歌山県串本、三重県尾鷲など紀伊半島の6地点で過去の最高潮位を更新する高潮を観測した。

暴風や高潮の影響で、鉄道の運休等の交通障害、断水や停電などライフラインへの被害が発生。人的被害としては、全国で死者・行方不明者2人、重軽傷者195人を数えた(総務省消防庁、10月2日現在)。

この夏、大水害、大地震、強烈な台風が日本列島を幾度も襲った。大規模災害が短期間にこれほど集中したことはかつてなかったのではないか。「災害は忘れたころにやってくる」の警句は、もはやこの国で頻発する災害の実態を示してはいない。覚悟すべきは、さらなる大規模災害が身近で発生する可能性は常にあるということだ。日頃の備えを怠らない――できることを、できる範囲で地道に取り組むしかない。