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平成29年中の火災出火件数、4年ぶりに前年より増加

2018.09.30

総務省消防庁はこのほど、平成29年中(1月~12月)に発生した火災について、出火件数や被害状況などをとりまとめ、公表した。

ここ数年、出火件数や火災による死者は減少傾向が続いていたが、平成29年はいずれも前年より増加した。

過去10年、減少傾向にある火災出火件数

総務省消防庁の「平成29年(1月~12月)における火災の状況(確定値)」によると、平成29年中の出火件数は3万9373件で、前年より2542件(1.8%)増加した。1日あたり108件、13分ごとに1件の火災が発生したことになる。

火災種別ごとの発生件数をみると、建物火災2万1365件(前年比374件、1.8%増)、車両火災3863件(同190件、4.7%減)、 林野火災1284件(同257件、25.0%増)、船舶火災72件(同増減なし)、航空機火災6件(同3県、100.0%増)、その他火災1万2783件(同2098件、19.6%増)だった。

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平成20年以降の火災出火件数の推移をみると、10年前には年間5万件あまり発生していた火災は、ここ3年間では4万件を割り込み、平成28年には3万6831件にまで減少している。この間、おおむね前年の件数を下回る状況が続いており、出火件数が前年を上回ったのは、平成25年以来4年ぶりのこととなる。

火災種別ごとの増減をみると、前年から減少したのは車両火災のみ、船舶火災が前年と同数で、そのほかの火災はすべて前年より増えた。

目立って増えたのは林野火災。前年より257件、25%も増えている。このほか、「その他火災」も2098件、19.6%増えた。その他火災とは、建物、林野、車両、船舶、航空機以外の火災のことで、空き地や田畑、道路、河川敷などにおける火災を指している。

住宅火災の死者の7割は高齢者

出火件数が増加したことに伴い、火災による死傷者も前年より増えた。

平成29年中の火災による死者は1456人で前の年より4人、0.3%増えた。1日あたり4人、火災27件に1人の割合で死者が発生したことになる。火災による負傷者は6052人で、前年より153人、2.6%の増加だった。

建物火災における死者1142人のうち、住宅火災(一般住宅、共同住宅及び併用住宅)による死者は985人で放火自殺者等を除くと889人だった。前年の平成28年中は、建物火災の死者は1114人、住宅火災による死者は987人、放火自殺者を除くと885人だったから、それぞれ微増した。

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過去10年間の火災による死者の推移をみると、平成10年代は毎年2000人を超える死者が発生していたが、平成20年に2000人を割り込んで以降、減少傾向にあることがわかる。平成29年中の死者は前年より増えたものの、1500人を下回る水準は維持している。

住宅火災による死者は減っているものの、死者に占める高齢者の割合は増えている。平成29年の住宅火災による死者889人のうち、65 歳以上の高齢者は646人を数え、全体の72.7%を占めた。平成20年以降の10年間で、この割合は最も高かった。

住宅火災における経過別死者数では、「逃げ遅れ」451人、「着衣着火」40人、「出火後再進入」15人などだった。

出火原因の1位は「たばこ」、依然として多い「放火」

3万9373件の火災を出火原因別にみると、「たばこ」3712 件(9.4%)、「放火」3,528件(9.0%)、「こんろ」3032 件(7.7%)、「たき火」2857件(7.3%)、「放火の疑い」2305件(5.9%)の順だった。

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「放火」と「放火の疑い」を合計すると5833件となり、全体の14.8%を占めて出火原因のトップとなる。放火火災の占める割合は平成22年までは全体の20%を超えていた。その後は減少傾向にあるものの、依然として高い水準にある。放火が多いのは、東京都、神奈川県、埼玉県、大阪府、千葉県の順となっている。

火災種別ごとの出火原因順位をみると、建物火災では、「こんろ」2986件(14.0%)、「たばこ」2025件(9.5%)、「放火」1635件(7.7%)、「ストーブ」1330件(6.2%)、「配線器具」1036件(4.8%)の順。林野火災では、「たき火」402件(31.3%)、「火入れ」218件(17.0%)、「放火の疑い」88件(6.9%)、「たばこ」58件(4.5%)、「マッチ・ライター」51件(4.0%)の順だった。

11月9日から15日までの7日間は、住宅防火対策の推進や放火火災防止対策の推進を重点目標に「平成30年秋季全国火災予防運動」が実施される。今年の防火標語は、「忘れてない? サイフにスマホに火の確認」が選ばれた。

各種対策が奏功して出火件数は大きく減ってきたとはいえ、火災はひとたび発生すれば恐ろしい災害であることは間違いない。サイフやスマホと同様、火の用心の意識も片時も忘れないようにしたいものだ。