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北海道で震度7を観測

2018.09.20

今月6日午前3時7分、北海道の胆振(いぶり)地方を震源とする地震が発生した。震央に近い厚真(あつま)町で震度7を観測するなど、道内の広い範囲が強い揺れに襲われた。

北海道で震度7を観測するのは初めて。

道内の広い範囲で震度5弱から震度6強

災害が頻発している。今後は北海道で「平成30年北海道胆振東部地震」が起こった。

厚真町以外の震度は、安平(あびら)町、むかわ町で震度6強を、札幌市東区、千歳市、日高町、平取町で震度6弱をそれぞれ観測した。また、札幌市清田区など11の区市で震度5強を、札幌市厚別区など15の区市町村で震度5弱を観測した。

震源の位置は胆振地方中東部、震源の深さは37キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6.7と推定されている。この地震による津波はなかった。

気象庁の最初の発表では、最大震度は安平町で震度6強などとされていた。これは当初、震央付近の複数の観測点から震度データが入電されなかったためで、その後届いたデータによって厚真町鹿沼で震度7を観測していたことがわかったという。同観測地点の震央からの距離は9キロだった。

国内で震度7を観測するのは、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震(2回)に次いで6例目で、北海道では初めてだ。

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厚真町で多くの土砂崩れが発生

政府の災害対策本部のまとめによると、9月19日現在、この地震による死者は札幌市、苫小牧市、厚真町、むかわ町、新ひだか町の2市3町で41人。負傷者は重傷8人、軽傷671人となっている。

また、住家の全壊は札幌市、北広島市、厚真町、安平町、むかわ町の2市3町で139棟に上ったほか、半壊247棟、一部損壊1824棟などとなっている。

被害が特に著しかったのは、厚真町における土砂崩れだ。

裏山の斜面がごっそりと崩れ落ち、ぼう大な土砂がふもとの集落になだれ込んだ。人家は押し流され、茶色い山肌がむき出しになった。地震発生当日、テレビで厚真町の土砂崩れの様子を見て目を疑った。まるで巨大なショベルカーで手当たりしだいに斜面を削り落としたのかと思うほどだった。

今回の地震による死者41人のうち、厚真町における死者は36人。住家全壊も同町では44棟に上り、札幌市の49棟に次いで多かった。

国土交通省の資料によると、道内では多数の土砂災害が発生しているが、19日までにそのうちの57件について被害状況を確認した。57件の内訳は土石流等24件、がけ崩れ33件で、このうち厚真町の土石流は22件、がけ崩れは15件を数えた。厚真町の死者のうち、6人は土石流等、30人はがけ崩れによる被害だったとみられている。

国土地理院は、発災日の9月6日から13日にかけて、今回の地震で大きな被害を出した6地区約1000平方メートルの空中写真を緊急撮影している。これらの写真は地理院地図のサイトから閲覧することができる。同サイトでは、被災前後の様子を比べている写真や空中写真を用いて作成した立体地図などを紹介している。これらの画像を見ると、改めて今回の地震の猛威を確認することができる。

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北海道近くの海域ではこれまでも地震が頻発

震度7を観測するのは初めてだが、北海道地方はこれまでにも多くの被害地震を経験している。

1952年の十勝沖地震(マグニチュード8.2)は十勝沖のプレート間を震源として発生、十勝地方と日高地方の沿岸で大きな揺れを観測した。津波による被害も大きく、死者・行方不明者は33人に上った。太平洋側の十勝沖では、1968年、2003年にもマグニチュード8前後の地震が発生している。

日本海側を震源とする地震もある。「平成5年(1993年)北海道南西沖地震」では、震源域が陸域に近かったことから地震発生後数分で津波が到達。奥尻島には遡上高31.7メートルの津波が押し寄せ、津波と地震後の火災により市街地が壊滅的な被害を受けた。この地震では死者・行方不明者230人の人的被害を出した。

活断層による地震も発生している。ただし、地震調査研究推進本部の資料によると、北海道地方の活断層は中央部を南北に走る日高山脈などの山地の周辺などに分布しており、活断層の数は他の地方と比べて多くなく、活動度も比較的低いと考えられているという。

気象庁によると、今回の地震のメカニズムは、東西から押される力によって岩盤がずれ動く「逆断層型」。震源近くには「石狩低地東縁断層帯」が存在するが、今回の地震との関連はわかっていない。

今年は本当に大きな災害が続いている。6月には大阪北部地震が発生したばかりだ。

震度7を九州でも北海道でも観測した。全国どこでも大きな地震、大きな災害は発生しうる。今回の北海道地震はこの事実を改めて私たちに突き付けた。9月1日は防災の日、この日を含む1週間は防災週間でもある。この機会にあらためて、普段から災害に向き合い、しっかり備えることの重要性を再確認しよう。