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記録的な低温と大雪は、ラニーニャ現象が関係

2018.02.18

この冬、日本列島は記録的な低温や大雪に見舞われている。

気象庁は18日朝、「暴風雪と高波及び大雪に関する全般気象情報(第5号)」を発表、低気圧や強い冬型の気圧配置の影響で、北日本と北陸では猛吹雪や暴風・高波になる恐れがあるとして警戒を呼び掛けた。

2月4日からの大雪により東北や北陸で死傷者が発生

2月に入り、大雪による被害が広がっている。

気象庁の観測によると、日本付近は2月3日から8日にかけて強い冬型の気圧配置となり、上空5000メートル付近はマイナス30度以下の強い寒気に広く覆われた。 北日本から西日本にかけての日本海側を中心に断続的に雪が降り、福井県福井市では昭和56年(1981年)の豪雪以来37年ぶりに積雪が140センチを超えた。

10日以降も、低気圧が西日本・東日本の南岸を通過したり、上空の強い寒気が西日本にまで南下したりして強い冬型の気圧配置は継続。北陸や東北などの日本海側で大雪となった。

総務省消防庁が先週の金曜日、16日18時30分現在でまとめたところによると、2月4日からの大雪による人的被害は、東北と北陸で死者22人、負傷者320人に上った。県別の死者は、福井県と新潟県で9人、富山県で2人、山形県と福島県でそれぞれ1人だった。負傷者は新潟県で99人、福井県で95人を数えた。

17日の土曜日も、各地で大雪の影響は続いた。報道各社によると、北海道では国道229号などで最大で約70台の車両が立ち往生、終日運転を見合わせた鉄道の路線もあった。福井県内では、17日に新たに2人の死亡が確認され、死者は計11人に増えた。

福井県は災害対策本部を設置、除雪作業に注意喚起

37年ぶりの豪雪になった福井県。2月6日に県の災害対策本部が設置され、対応に全力を上げている。

災害対策本部の18日午前10時現在のまとめによると、2月4日からの大雪による死者は前述の通り11人、負傷者も97人に増えた。

死者の被災状況をみると、屋根の雪下ろし中に転落して亡くなったケースが多かったほか、雪に埋もれた車内から心肺停止状態で発見された人もいた。重軽傷者の多くも、雪下ろし作業中の転落や除雪作業中の転倒によるケガだった。

死傷者には70歳台や80歳台の高齢者が目立っている。なかには、屋根の雪下ろし中に転落して死亡した69歳の女性、除雪作業中に軽症を負った91歳の女性もいる。突然の豪雪に見舞われ、自ら危険な除雪作業に乗り出さざるをえない状況に追いこまれている高齢の女性もいるということだ。実際、福井県内では、積雪による屋根の損壊などの住家被害は30件、非住家の被害は58件に上っている。

こうした緊急事態に即応し、福井県はホームページに「平成30年2月大雪に関する情報」のコーナーを特設。除雪作業中の事故防止のために、一人ではなく複数で作業すること、命綱やヘルメットを使用するなど安全確保に留意することなどを呼びかけている。福井市も、ホームページを「緊急時用トップページ」に差し替えて、市が実施する道路の除雪作業情報等を発信している。

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ラニーニャ現象の発生に伴い寒気が流れ込みやすく

この冬の寒さと大雪の原因は何だろうか。

気象庁は15日、「平成29年12月以降の低温と大雪の要因について(速報)」と題する資料を発表して、ラニーニャ現象の発生がその要因と考えられるとの見方を示した。

ラニーニャ現象とは、南米沖の太平洋の海面水温がいつもよりも低くなる現象のことで、昨年秋から発生していた。この海域の海面水温が高くなるエルニーニョ現象とはちょうど反対の現象だ。

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気象庁の説明によると、ラニーニャ現象と低温・大雪の関係は次の通りだという。

(1)ラニーニャ現象の影響によって太平洋の西側の熱帯域で海面水温が高くなり、インドネシア付近の海域における積雲の対流活動が平年よりも活発になった。

(2)積雲の対流活動が活発になったことで、フィリピン東方沖から南シナ海付近にある高気圧の勢力が強まり、今回は平年よりも高気圧が北西側に広がった。

(3)高気圧の強まりによって偏西風(亜熱帯ジェット気流)が影響を受け、日本付近ではいつもより南側に蛇行する。

(4)偏西風の南側への蛇行に伴って、大陸からの寒気が日本付近に流れ込みやすくなった。

ラニーニャ現象が発生すると、世界的に異常気象が発生しやすいと言われている。今回のラニーニャ現象も例外ではなかったということなのだろう。

気象庁が15日に発表した今後の1か月予報によると、今月末にかけては、北日本を中心に寒気が流れ込みやすい状態が続き、北・東日本の日本海側では降雪量が平年と比べて多くなる見込みだという。

引き続き警戒が必要なことは言うまでもない。特に大雪が降った地域では、福井県の呼びかけにもあるように、除雪作業等には十分に気を付けてほしい。