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みんなに役立つ「防災ポータル」サイト

2017.11.30

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催まで1,000日を切ったという。東京都の準備局サイトのカウントダウン表示を見て、遅ればせながら気が付いた。

調べてみると、オリンピック開催の1,000日前は10月28日、パラリンピックのそれは昨日11月29日。都や大会組織委員会などの主催者は、この1か月間を「1000 Days to Go!」月間と銘打ち、大会を盛り上げる各種イベントを開催したという。

オリンピック期間中の防災対策の必要性

さて、日本の首都・東京は、首都直下地震という大きな災害の発生が危惧されている都市だ。

政府の予測によると、首都圏で今後30年以内にマグニチュード7クラスの地震が発生する確率は70%程度と見なされている。極めて高い数値だ。ひとたび発生すれば、火災による被害を中心に、甚大な人的被害・建物等被害が生じることが想定されている。

国内的な「自己評価」だけではない。国外からも、東京は自然災害に関して世界で最も「危険性の高い国」と指摘されている。スイスの再保険会社「スイス・リー」が2013年にまとめた「自然災害リスクの高い都市ランキング」によると、「東京・横浜」は「洪水、地震、嵐、高潮、津波など」で被災する人口が世界で最も多いと推計されている。

このような東京で、オリンピック・パラリンピックが開かれる。国内外からの観光客をはじめとした多くの人たちが東京を訪れる。開催期間中に大規模地震が発生したら、どう対応するのか? 

冒頭、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催準備は着々と整っていることを紹介した。これは防災対策についても言える。万が一の事態に備えて観光客などの安全・安心を確保するため、国や都は準備に追われている。

国交省は、訪日外国人旅行者向けのサイト「防災ポータル」を開設

今年8月、国土交通省南海トラフ巨大地震・首都直下地震対策本部は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた「首都直下地震対策ロードマップ」を取りまとめ、発表した。同省が平成26年に策定した「国土交通省首都直下地震対策計画」を踏まえ、オリンピック・パラリンピックの開催をどう支えていくかについて検討した結果を示したものだ。

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ロードマップでは、2020年に向けた行動計画として「外国人を含む多数の滞在者の安全を確保する」など5つの重要テーマが掲げられ、それらに対する具体的な対策が示された。

このうち、ロードマップの公表と同時に、国土交通省のサイト内に開設されたのが「Disaster Prevention Portal / 防災ポータル」だ。

同サイトは、首都直下地震などにかかわる防災情報を発信している75サイトを収集、「今から知っておくべき情報」と「災害時に見るべき情報」の2部構成で情報を整理している。

「今から知っておくべき情報」では、地震をはじめとした各種自然災害に関する被害想定やハザードマップ、災害発生時に身を守るための知識に加え、都内近郊の鉄道路線図や国土交通省など行政の防災対策について紹介。「災害時に見るべき情報」では、被害情報、気象情報、避難所などに関する情報、交通情報など、災害発生時にリアルタイムに提供される情報提供サイトを集約している。

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クリックひとつで英語、ハングル、中国語に切り替え可能

実際に「防災ポータル」を訪れてみると、サイトの上部には、言語選択ボタンが設置されており、日本語のほか、英語、ハングル、中国語(簡体、繁体)が選べるようになっている。それぞれのボタンをクリックすると、防災情報の各言語版にかんたんに切り替えることができる。

外国人旅行者などにとっては、日本で発生する災害についての知識、発生時の対応を事前に学べるほか、発災時の避難などに役立つ情報を一括して入手できるようになっている。

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国土交通省の資料によると、日本の地震に対して不安を感じている外国人旅行者は約半数に上り(東京消防庁の意識調査)、自然災害について不安を感じることとしては、「地震による建物の倒壊」55.6%、「ライフラインの寸断」49.3%、「情報網の寸断」43.3%などが上位を占めているという(東京都港区が区内に住む外国人を対象として実施した調査)。

やはり、日本の地震を不安に感じている外国人は多いようだ。だからこそ、災害に関する情報提供サイトが整備されていれば「安心して日本を旅行できる」と回答した人は86.8%に上ったわけだ(観光庁調査)。

2020年の外国人旅行者の受け入れに向けて、同サイトの開設は実効性の高い取り組みであると評価できるだろう。旅行者の皆さんには、訪日の際には必ず知っておいてほしいサイトであると言える。

ただ、考えてみればすぐに、オリンピックの開催うんぬんは関係ないことに気付く。今現在でも、発災時に役立つ情報が手軽に整理された、大変便利なサイトであるからだ。2020年まで待たずとも、また訪日観光客でなくとも、今現在、首都圏に在住・在勤する人にとって、災害に備えて知っておくべき必見サイトだと言える。ぜひ日常的に活用していこう。