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東日本大震災から6年

2017.03.17

東日本大震災から6回目の「3.11」を迎えた。被災地ではない場所に暮らす多くの人は、時が経るごとに震災から受けた衝撃の記憶が薄れ、被災地への関心が低下していくことを自覚しているのではないだろうか。だが、せめてこの日くらいは、あの地震と津波の記憶を呼び覚まし、次の被災に向き合う覚悟を再確認したい。

インフラ復旧は進んだが、いまだ全国に12万人余の避難者

政府は11日午後、東京都千代田区の国立劇場で「東日本大震災六周年追悼式」を開いた。地震が発生した午後2時46分には1分間の黙とうを捧げて犠牲者を哀悼し、東北再生への決意を新たにした。

安部首相は式辞でこう述べた。

「被災地に足を運ぶ度、震災から6年を経て、復興は着実に進展していることを実感します。インフラの復旧がほぼ終了し、住まいの再建や産業・生業の再生も一歩ずつ進展するとともに、福島においても順次避難指示の解除が行われるなど、復興は新たな段階に入りつつあることを感じます」

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復興庁が昨年12月にまとめた資料を確認すると、確かに首相が言うようにインフラ復旧はおおむね終了している。災害公営住宅の整備などの住まいの復興、農業・水産加工業の施設の再開等などの産業の再生も、その進捗スピードに対する評価は分かれるだろうものの、着実に進んでいることは間違いない。

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一方で、これも首相は式辞のなかで触れているが、いまだに12万人を超える人たちが全国47都道府県、1,094の市区町村に散らばって避難している。

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震災の記憶が人々から薄れていく現実を思うとき、長期にわたって避難を余儀なくされている避難者が、取り残されていくのではないかとの焦燥感を抱いたとしても不思議はない。

震災による死者は1万9,533人に、福島県で多い震災関連死

総務省消防庁は8日、今年3月1日現在の被害状況をまとめた「平成23年(2011 年)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)について(第155 報)」を公表した。

昨年の3月1日現在(第153報)と比較すると、死者は115人増加、行方不明者は7人減少した。この1年間で震災関連死に認定された人が増え、新たに遺体の身元が判明したことによるものだ。このほか、市町村による精査の結果、住家被害の棟数が修正された。

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被災3県でみると、福島県で震災関連死が大幅に増えて、死者が104人増加していることが目立っている。原発事故による長引く避難等が人々の生命に深刻な影響を及ぼし続けている。

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余震域では依然として活発な活動

東日本大震災を引き起こした「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の余震は、岩手県沖から千葉県東方沖にかけての広大な領域で依然として続いている。

政府の地震調査研究推進本部が9日、「『平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震』以降の地震活動の評価」を公表し、活発な余震活動について解説した。

それによると、上記の広大な余震域で発生したM4.0以上の地震は、本震発生後の約1年間で5383回発生したのに対して、最近1年間(2016年3月~2017年2月)では368回発生。発生頻度は15分の1以下にまで減少した。しかしこれは、東北地方太平洋沖地震前の平均的な地震活動状況と比べると2倍以上であるといい、実際、4年目、5年目と比較しても増加していることがわかる。昨年2016年11月22日には福島県沖の地震(M7.4)のように、津波を伴う規模が大きな地震も発生している。

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地震調査研究推進本部はまた、東北地方から関東・中部地方までの広い範囲で地殻変動が引き続き観測されていること、2004年のスマトラ島北部西方沖の地震(Mw9.1)では震源域およびその周辺で数か月後から約11年後までの長期にわたってMw7.8~8.6の巨大地震が繰り返し発生している例もあることを指摘。

「総合的に判断すると、今後も長期間にわたって余震域や内陸を含むその周辺で規模の大きな地震が発生し、強い揺れや高い津波に見舞われる可能性があるので、引き続き注意が必要である」と呼びかけた。

人にとって5年、6年という時間は記憶が風化しはじめるのに十分な長さだが、地球の活動という規模でみるとわずかな時間に過ぎない。

プレート活動はこれまでも続いてきたし、今後も果てしなく続いていく。ダイナミックに活動する地球の上で私たちは生きている。「3.11」は、このことを再認識させてくれる日でもある。