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活断層の地震を理解しよう--文科省、気象庁が啓発資料を作成

2017.02.17

昨年発生した「平成28年熊本地震」は、活断層型地震の怖さを改めて知らしめた。

活断層による地震にはどのような特徴があり、どのように備えればよいのだろうか。こうした疑問に簡潔に答えてくれる新しい普及啓発資料が登場した。

昨年の熊本地震をきっかけに全国版と地方版を作成

啓発資料の名称は「活断層の地震に備える?陸域の浅い地震?」。文部科学省と気象庁とが共同で作成し、15日に報道発表した。

発表によると、資料作成の目的は熊本地震のような「陸域の浅い場所」で発生する地震に対する理解を深めてもらい、地震への備えを進めてもらうためだという。

全国には多くの活断層が存在するとされているが、活断層の地震に対する住民の理解は決して高くない。実際、熊本地震でも住宅耐震化や備蓄品の準備といった地震への備えが不十分だったことが被害の拡大を招いたとの指摘もある。

その意味で、今回の資料の公開は大変タイムリーであるとともに、地震国として欠かすことのできない防災・減災の取り組みのひとつであると評価できるだろう。

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「活断層の地震に備える?陸域の浅い地震?」には、全国版と地方版の2種類がある。

今回第一弾として公開されたのは全国版と関東地方版だ。その他の7地域版(北海道、東北、中部、近畿、中国、四国、九州・沖縄)については、この後順次公開される予定だ。

全国版では、陸域の浅い地震が起きるメカニズムや被害の特徴、過去に発生した主な被害地震の概要、主要活断層の長期評価、陸域の浅い地震への具体的な備えなどについて説明している。

地方版では、全国版の内容に加え、その地域で確認されている活断層の位置や特徴、予想されている揺れの強さ、広がりなど地域の特徴を詳しく解説している。

2月18日に都内で開かれる防災イベントでの活用も

この資料の公開がタイムリーであると前述したのにはもうひとつ理由がある。

来る2月18 日に東京都豊島区で防災イベントが開かれるが、文部科学省と気象庁が同イベントにおいて、この資料を活用して地震に対する備えを呼びかけるという。

イベントとは、同時開催される文部科学省と地震調査研究推進本部が主催する「ぎゅっとぼうさい博2017」と、気象庁が主催する「大地震へのソナエ」だ。

「ぎゅっとぼうさい博」は、一般的に防災への関心が低く、災害時に情報が不足しがちな若者・子育て世代や災害時に要配慮者となりやすい子供や女性をターゲットに、地震防災に興味を持ってもらうことを目的にした博覧会。防災の専門家がわかりやすく防災に紹介したり、防災グッズを体験できたりするという。

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「大地震へのソナエ」は、首都直下地震など大地震に対する正しい備え方を知ることができる体験型の防災イベント。身近な地震防災についてのトークショーや災害時のトイレの作り方を学ぶワークショップなどが予定されている。

面白そうだと興味をもち、当日池袋サンシャインシティに出かけることができる人は、ふるって参加してみよう。

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地方版には地震に関する疑問のQ&Aコーナーも

文部科学省と気象庁によると、この資料は、自治体の防災担当者を対象にした説明会などで地域住民への普及啓発に活用してもらうよう働きかけるほか、学校での防災教育の活用も呼びかけていくという。

全国版も実に勉強になるが、特に地方版の解説は細かいところまで言及されていながらも簡潔に掲載されていて面白い。

たとえば、関東地方の活断層は関東地方南部に多くて関東平野には少ないように見受けられるが、これは厚い堆積物に覆われているために地下の活断層が見つかっていない可能性があるという。

あるいは、関東南部の地下は3つのプレートがぶつかりあっているため、いわゆる首都直下地震にはさまざまなタイプがあることなどが紹介されている。

このほか、「自分の感じた揺れの大きさと発表震度が違うのはなぜ?」「地震雲はあるの?」といった、多くの人が抱きがちな疑問に関するQ&Aコーナーもある。これらの答えについては......ぜひ本資料にあたってほしい。