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鳥取県中部の地震、活断層が知られていない場所で発生

2016.10.31

鳥取県中部で10月21日、マグニチュード6.6(暫定値)の地震が発生、同県倉吉市等で最大震度6弱を観測した。これまでに活断層が確認されていない場所で、また大きな地震が発生した。

鳥取県内の3か所で震度6弱の強い揺れを観測、余震も続いている

気象庁によると、地震が発生したのは21日14時7分ごろ、震源は鳥取県中部で震源の深さは11キロだった。

震源から近い県内の倉吉市葵町、湯梨浜町龍島、北栄町土下で最大震度6弱を観測した。県内の広い範囲や島根県、岡山県の一部で震度5弱以上を観測した。この地震による津波はなかった。

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気象庁の観測によると、31日11時現在、鳥取県中部では震度1以上を観測した地震は277回にのぼっている。また、マグニチュード3.5以上の地震の発生回数は、28日8時現在で40回を記録している。

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総務省消防庁の28日11時現在のまとめによると、重傷者4人を含む26人がけがをし、住家2棟が全壊するなどの被害が出た。

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鳥取県内では過去にも内陸型地震が続発したことがある

気象庁は28日の報道発表資料で、地震活動は21日の発生直後よりは収まってきているものの、「現状程度の地震活動は当分続くと考えられる」と説明した。

特に、鳥取県周辺では過去にも大きな地震の発生後に規模の近い地震が続いたことがあり、同程度かさらに大きな地震が数か月後に発生したこともあることを強調して、引き続き地震発生に注意するよう呼びかけた。

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上図は、鳥取県内でマグニチュード5以上の地震発生後、30日以内に同程度の地震が発生した事例を示している。

戦時中の1943年9月10日に発生した鳥取地震は、マグニチュード7.2、1083人の死者を記録した大災害だったが、その半年前の3月にはマグニチュード5.7から6.2の地震が頻発していたことがわかる。

この図には示されていないが、鳥取県内ではこのほかにも、2000年10月6日、マグニチュード7.3の「鳥取県西部地震」が発生している。

大きな活断層が確認されていなくても地震は起こり得る

過去にも少なくない地震が発生しているにもかかわらず、鳥取県内では、県東部に長さの短い活断層が分布しているのが知られているのみだという。政府の地震調査委員会がその発生確率を評価している主要活断層帯に、山陰地方の活断層は含まれていない。

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今回の地震について、政府の地震調査委員会は22日に臨時の会議を開き、「これまでに知られていない長さ10キロ以上の断層がずれて発生した」という見解を発表した。

過去に地震が発生していても、地震の規模が小さければ、地表にまで断層のずれが及ばないことがありうる。活断層が確認されていないからといって、地震が発生しないわけではないのだ。

長さが20キロを超える主要活断層帯は存在しないものの、地震調査委員会はこの地域の危険性を認識していた。

委員会は今年7月、中国地域を対象にした長期評価を公表。鳥取県を含む中国地域の北部では、「活断層は少ないが、地震活動は比較的活発」であるとして、「マグニチュード6.8 以上の地震が30 年以内に発生する確率は40%」と評価していた。山口県側の西部や瀬戸内海塩害の東部に比べ、ずいぶん高い数値だった。

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活断層が確認されていない場所でも、大きな地震は発生することがある。

地震列島に住む私たちが忘れてはいけない教訓だ。