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御嶽山噴火から2年、登山者に求められる"自助"

2016.10.18

9月27日、戦後最大の火山災害となった御嶽山の噴火から2年が経過した。2年前のこの日、紅葉シーズンの週末のお昼時、御嶽山は噴火した。大勢の登山客が巻き込まれ、死者・行方不明者は63人に上った。従来の火山防災対策に大きな反省を迫った噴火だった。あれから2年、火山における登山者の安全対策はどの程度進んだのだろうか。

49火山周辺自治体が火山災害警戒地域に指定

御嶽山噴火を教訓に昨年、活動火山対策特別措置法(活火山法)が改正された。中央防災会は今年2月、改正活火山法に基づき、全国49火山の周辺の140市町村と23都道県を「火山災害警戒地域」に指定した。

火山災害警戒地域に指定されると、住民や登山者などの安全を確保する避難計画の作成などが義務付けられる。指定された自治体の一覧表が以下だ。

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全国地図で確認すると次のようになる。北海道、東北、関東・中部・北陸、九州の各地方に分布している。

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全国110の活火山のうち、気象庁が24時間体制で監視・観測している火山は50ある(常時観測火山)。火山災害警戒地域に指定されたのは、住民のいない東京都の硫黄島を除いた49の常時観測火山周辺の自治体ということになる。

内閣府が警戒地域指定市町村の避難計画策定を支援

火山災害警戒地域に指定された市町村は早期の避難計画の策定が求められるが、現在のところ進捗状況は芳しくないようだ。

内閣府は、全国のべ155市町村(複数の火山がある市町村を含む)を対象に4月末時点の避難計画の策定状況を調べた。

その結果、「登山者向け対策」を策定しなければならない126市町村のうち、策定済みは13市町村に過ぎず、全体の約10%にとどまっていた。「住民向け対策」の策定状況も119市町村のうちの43市町村(約36%)と半数に届かなかった。

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こうした実態を踏まえ、内閣府は火山対策のノウハウが乏しい市町村を支援に乗り出している。

登山者が火口近くまで近づける、市街地に近いなど4つのタイプの課題ごとに全国で17火山を選び、対象となる51市町村に専門家を派遣して避難計画策定を支援していく方針だ。

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秋の行楽シーズン、登山者も自ら身を守る自覚を

今月8日未明、阿蘇山の中岳第1火口で爆発的噴火が発生した。気象庁は噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げた。中岳の爆発的噴火は1980年以来36年ぶりという。

内閣府の13日現在の被害状況によると、人的被害はなし。未明の噴火だったこともあり、登山者などが巻き込まれることがなかった点は幸いだった。

御嶽山も阿蘇山も、人気のある観光地だ。火山防災対策に取り組むのは周辺自治体ばかりでない。登山者・観光客として山に親しむ私たちにも必要だ。改正活火山法は、登山者自ら身を守ることの重要性も指摘している。

内閣府と気象庁は火山防災を呼びかける登山者向けのリーフレット「火山への登山のそなえ」を作成して注意を呼び掛けている。

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登山者がなすべき取り組みの第一は、「火山情報を集める」ことだ。

まずは、登ろうとする山が火山かどうかを把握する。火山に登るのであれば、気象庁の「火山登山者向けの情報提供ページ」で、噴火警戒レベルや火山防災マップを確認しよう。

次に、「登山届制度」がある火山では、必ず登山届(登山計画書)を作成して提出しよう。オンラインで登山計画書を作成・提出できる日本山岳ガイド協会「Compass(コンパス)」などのサイトを活用するのが便利だ。

リーフレットはこのほかにも、登山前に通信可能エリアをチェックしておくことや、携行すべき準備品・装備品のリスト、噴火のリスクを解説した登山中の心得など、役に立つ情報を提供している。

秋の行楽シーズン真っ盛り。出かけ先が火山である場合には、同リーフレットにぜひ目を通しておこう。