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台風シーズンはまだ続く。しっかり備えよう

2016.09.16

8月以降、台風が猛威を振るっている。台風の日本への上陸は8月4個、9月1個の計5個を数え、すでに平年の2.7個を上回っている。

北海道に3個、東北に直接上陸は史上初

気象庁の9月15日現在の統計によると、台風は8月に7個、9月に5個発生した。このうち、日本列島に上陸したのは5個、接近したのは7個あった。

台風7号、11号、9号は、それぞれ8月17日、21日、23日に北海道に上陸した。台風9号は千葉県に上陸した後、関東・東北の太平洋沿いを北上して北海道に再上陸したが、7号、11号は太平洋上を進んで北海道に直接上陸した。

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台風10号は特異な軌跡を描いた。8月19日に八丈島近海で発生し、しばらくは南西方向に「南下」した。その後26日になって沖縄の東方海上で向きを「反転」、北東方向に進んで関東を大きく回り込み、暴風域を伴ったまま30日に岩手県大船渡市付近に上陸した。

北海道に3個の台風が上陸したこと、東北地方に台風が直接上陸したことは、いずれも1951年に気象庁が統計を取り始めて以来初めてのことだった。

この2か月の台風で30人をこえる死者・行方不明者

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相次ぐ台風の上陸・接近は、関東から北海道にかけての広い範囲に大雨をもたらした。気象庁が今月6日に公表した資料によると、8月16日から31日までの総降水量は、最も多かった北海道河東郡上士幌町ぬかびら温泉郷で858.0ミリを観測した。

統計期間が10年以上の観測地点のうち、1時間降水量で25地点、3時間降水量で44地点、24時間降水量で8地点、48時間降水量で6地点、72時間降水量で19地点が観測史上1位の値を更新したという。

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被害も深刻だ。

内閣府のまとめによると、8月以降日本列島に上陸・接近した6つの台風による全国の死者は25人、行方不明者は6人に上る。重軽傷者も94人を数えている。

個別の台風としては台風10号、地域別には岩手県と北海道で被害が集中した。

台風情報などに注意して、早め早めの対策を

岩手県岩泉町の高齢者福祉施設では、近くを流れる川が氾濫し、入所者9人が遺体で発見されるという痛ましい事故があった。

メディアが報じるところによると、同施設は避難マニュアルをもたず、水害を想定した避難訓練を実施したこともなかった。施設の責任者は避難準備情報が出されたことを把握していながら、「避難に時間がかかる災害時要配慮者が避難を始める目安になる」という同情報の意味を知らなかった。避難準備情報を出した岩泉町も、被害情報などへの対応に追われ、結果として同地区に避難指示や避難勧告は出せなかったという。

残念ながら、悲劇はまたも繰り返された。

気象庁は15日、数年に1度くらいしか発生しないような短時間の大雨を知らせる「「記録的短時間大雨情報」をより早期に発表できるようになったと発表した。雨量解析の処理を高頻度・短時間で実施することにより、発表時間を最大で30分短縮するという。

記録的短時間大雨情報は、避難勧告などを発令する際の判断材料のひとつだ。市町村にとっては、いち早く避難勧告等を発令することに役立てることができるようになる。

台風シーズンはまだしばらく続く。今日16日現在も、沖縄の南海上には強い台風16号があり、17日には先島諸島に、19日から20日にかけては西日本に接近するおそれがあるという。

台風はその進路をあらかじめ予測できる。雨の量や風の強さも前もって公表されている。気象庁が発表する台風情報や市町村が発令する避難に関する情報に十分注意して、早め早めの対策を心がけよう。