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猛暑から低温・日照不足へと天候が激変した今年の夏

2015.08.31

 8月も今日で終わるが、今年の夏は天候の急激な移り変わりに驚かされた感が強い。ブログ子が住む東京でも梅雨明け直後から暑い日が続き、8月上旬は連日の猛暑だった。大気の状態が不安定なことも多く、突然の大雨にも何度か見舞われた。ところが8月下旬に入ると天候は急転、ここ数日は低温傾向が続いている。あまりの変化に体調を崩した人も多いのではないだろうか。

梅雨明け以降、東日本、北日本では猛暑

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 気象庁の観測によると、今年は7月29日ごろまでに全国で梅雨明けした。沖縄は6月11日ごろと平年よりも早かったが、奄美、九州北部、四国は平年よりもかなり遅かった。

 そこから8月上旬にかけて各地で気温が高くなる。8月1日には岐阜県多治見市で今夏最高の39.9度を観測するなど全国的に猛烈な暑さとなり、全国928地点のうち223地点で35度以上の猛暑日を記録した。5日には群馬県館林市で39.8度になったほか全国822地点で30度以上の真夏日を観測して今年最多となった。東北や北海道にかけても軒並み気温が上がり、北日本を中心に19か所で観測史上最高気温だった。東京都心では8月7日までの8日間連続で猛暑日となり、館林市は6日から8日までの3日間連続で39度以上を記録した。

 

 記録的な暑さによって熱中症にかかる人も激増した。総務省消防庁によると、熱中症とみられる救急搬送者数は7月中で2万4,567人を数え、7月の救急搬送者数としては過去最多を記録した。7月27日?8月2日、8月3日?9日と2週連続で搬送者は1万人を超え、それぞれの週の死者も25人、32人だった。いずれも2008年に統計を取り始めて以来の最多記録となった。

8月後半になると日照時間少なく肌寒い日も

 8月後半になるとようやく暑さが和らいだ。東京都内では17日の最高気温が28度にとどまり、29日間続いていた真夏日が途切れた。25日には最高気温22.9度となって連続した夏日(最高気温が25度以上)も46日間で終わった。全国の観測地点でも25日の真夏日は78か所と8月になって初めて100か所を下回った。24日以降は猛暑日を記録した観測地点はない。その後も9月から10月並みの気温となる日もあって、過ごしやすいというよりも肌寒く感じることもたびたびだった。

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 もっともこの夏、西日本では7月下旬から8月上旬を除けば冷夏傾向だった。東日本、北日本でも8月中旬以降は日照時間が少ない状態が続いている。気象庁によると、東北や関東甲信では8月12日以降、太平洋側を中心に曇りや雨の日が続いて日差しが少なくなっている。12日から27日までの16日間で、福島では平年の35%、仙台や東京などで50%に留まっているという。

エルニーニョ現象続く、過去最大規模の予測

 不安定な天候は国内に限ったことではない。米海洋大気局(NOAA)は20日、今年7月の世界の平均温度が観測の始まった1880年以降で最高だったと発表した。同局によると7月の世界の地表面と海水面の平均温度は16.61度で、20世紀の平均15.8度より0.81度高かった。今年1月から7月の平均気温も観測史上最も高くなっているという。

 太平洋東部の海面温度が上昇するエルニーニョ現象は、こうした異常気象の原因のひとつに指摘されている。米海洋大気局によると、昨年から始まったエルニーニョ現象は今年になってさらにその傾向を強めており、過去最大規模になる恐れがあるという。

 一般にエルニーニョ現象の影響を受けると、日本は冷夏になるとされている。しかし、海洋研究開発機構と東京大学が過去117年分の気象観測データを解析した研究によると、エルニーニョ現象と日本の冷夏との相関関係は、明瞭な時期と不明瞭な時期を繰り返していることがわかった。近年はこの相関関係が下がっており、夏の季節予測が困難な時代にさしかかっている可能性があるという。

 気象庁も8月10日に発表した「エルニーニョ監視速報(No.275) 」で、7月はエルニーニョ現象が続き、今後も冬にかけて続く可能性が高いとしたものの、7月の日本の天候への影響については「エルニーニョ現象時の特徴は明瞭には見られなかった」と評価した。エルニーニョ現象が必ずしも日本の冷夏につながるわけではないようだ。