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浅間山が噴火警戒レベル2に、現時点の火山概況を確認する

2015.06.15

 国内の火山活動から目が離せない状態が続いている。爆発的噴火から2週間余りが経過した口永良部島の島民は避難の長期化を余儀なくされている。気象庁が8日に「平成27年5月の地震活動及び火山活動について」を報道発表した直後、今度は浅間山(群馬・長野県境)の活動が活発化。気象庁は11日、浅間山に火山周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げた。状況が目まぐるしく移り変わり、情報の受け手としても混乱してしまう。気象庁が12日に公表した「週間火山概況」(平成27年No.24、平成27年6月5日?6月11日)などの資料から、現時点における国内の火山活動の全体像を整理しておこう。

14火山で噴火警報、火口周辺警報

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 11日現在の火山現象に関する警報等の発表状況は表の通りだ。国内の火山のうち、口永良部島では噴火警報および噴火警戒レベル5(避難)が出されている。また火口周辺警報は13火山に出されており、これらのうち噴火警戒レベル対象になっているのが9火山ある。この内訳はレベル3(入山規制)が御嶽山と桜島の2火山、レベル2(火口周辺規制)が吾妻山、草津白根山、浅間山、箱根山、阿蘇山、霧島山(新燃岳)、諏訪之瀬島の7火山となっている。現状で警戒レベル未導入の蔵王山はレベル2相当とされている。

 下図はレベル2以上の火山の分布を示している。気象庁は今週、前述のように11日に浅間山の噴火警戒レベルを1から2に引き上げた一方で、5日には三宅島の噴火警戒レベルを2から1に引き下げている。

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浅間山は5年ぶりにレベル2に

 浅間山では、4月下旬から山頂直下のごく浅い場所を震源とする「体に感じない」火山性地震が多い状態が続いていた。二酸化硫黄の放出も増加していることから、気象庁は「浅間山では火山活動が高まっていると考えられ、今後、火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性がある」と判断、警戒レベルの引き上げを決めた。火口から約2キロの範囲では、大きな噴石の飛散に警戒が必要だ。火口縁上の噴煙の高さは300m以下で推移しており、山頂火口からの噴煙量はわずかに増加傾向。今のところ地殻変動観測では火山活動に関連するとみられる変化は認められていないという。

 浅間山におけるレベル2への引き上げは5年ぶりのことだ。前回は2009年2月2日に小規模な噴火を起こした。これは警報レベル3(入山規制)の噴火警報が出された直後に発生した。噴火による降灰が東京都や神奈川県横浜市、千葉県君津市でも観測されている。

口永良部では避難長期化の見通し

 口永良部噴火関連では、安倍晋三首相が13日、屋久島の避難所を訪れて避難している口永良部の島民を激励し、仮設住宅の建設を急ぐ考えを示した。屋久島町は今月中にも仮設住宅の建設に着工するという。気象庁の週間火山概況によると、5?11日にかけて噴火は発生していないが、火山活動の高まった状態が続いており、遠望観測では白色の噴煙が最高で火口縁上400mまで上がっている。「今後も5月29日と同程度の噴火が発生する可能性がある」という。

 小康を保っているようにみえる箱根山はどうだったか。同じく週間火山概況によると、火山活動はやや活発な状態で経過、火山性地震は5月中旬ごろと比べると減少しているものの依然やや多い状態という。国土地理院の5日の発表によると、箱根山の大涌谷(おおわくだに)周辺では大きな地殻変動が確認されている。昨年10月と今月4日時点の比較では、直径200メートル程の範囲で最大30センチ程度の隆起を観測した。5月21日から4日までの2週間では最大10センチ程度の変化がみられるという。気象庁は、大涌谷温泉供給施設の蒸気の勢いが弱まってきているのを観測しているというが、依然として予断を許さない状況のようだ。

活動が収まれば警戒レベル引き下げも

 気象庁が発表する情報は、要警戒一辺倒というわけではない。上述のように、気象庁は今週、三宅島については噴火警戒レベルを引き下げた。三宅島では2013年1月22日を最後に噴火は発生しておらず、火山ガスの放出量も長期的に減少傾向にある。噴火が発生する可能性は低くなったとして噴火警報を解除、噴火予報に切り替え、警戒レベルも下げた。当然のことながら、警戒レベルは引き上げられるだけのものではなく、活動が沈静化の兆しを示せば引き下げられるということが確認できた。各種報道によると、山形・宮城県にまたがる蔵王山についても、火口周辺警報の解除が検討されているという。

 自然が相手だから、いつまた活動が活発化するかはわからない。しかし、地元住民にとっては人心地がつける、うれしい知らせに違いない。