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命を守るために必要なこと―理解し、備える土砂災害(4)

2014.10.31

 これまで3回にわたって基本的な土砂災害対策について学んできた。最終回の今回は、日ごろから土砂災害にどのように備えるか、あるいは実際に土砂災害の危険が迫ってきたらどのように身を守るかについて、具体的に確認しておこう。

住まいの場所が土砂災害の危険があるか確認する

 土砂災害はとても「身近な」災害だ。平坦に思える都市部においても崩壊の危険がある斜面は少なくない。日本で暮らす以上、誰もが土砂災害と無縁ではいられないことを強く自覚しよう。

 そのうえでまずは、自宅のある場所や勤め先・通学先などよく立ち寄る場所に土砂災害の危険があるかどうかを確認しておきたい。具体的には、自宅等の場所が土砂災害警戒区域に該当するかどうか、近くに土砂災害危険箇所が存在するかどうかを調べるわけだ。前回紹介したように、土砂災害警戒区域の指定が完了していない場合もあるので、土砂災害危険箇所についても必ず調べておこう。

 これらの場所は、国土交通省砂防部のサイトから調べることできる。同サイトは各都道府県の土砂災害担当課のサイトへのリンク集になっている。危険箇所等がウェブで公開されていない場合は、市町村役場に直接問い合わせてみよう。

 また、「政府広報オンライン」では、土砂災害を含めた市町村のハザードマップや、市町村が提供する災害発生時の情報伝達サービスなどをまとめて公表している。大変有用なサイトなので、ぜひ活用したい。

雨が降りだしたら、土砂災害警戒警報などに注意する

 国土交通省によると、土砂災害が発生したときに土砂災害警戒情報が発表されていた割合(災害捕捉率)は約75%に上っている(平成24年度「土砂災害への警戒の呼びかけに関する検討会」報告書 )。雨が降り出した場合は、雨量の情報や土砂災害警戒情報に注意しよう。

 土砂災害警戒情報の発表状況は、気象庁のサイト国交省砂防部のサイトから確認できる。また、気象庁は土砂災害警戒情報を補足する情報として「土砂災害警戒判定メッシュ情報」を提供しており、土砂災害警戒情報が出された市町村内のより詳しい危険度が5kmメッシュでリアルタイムに把握できる。

 自治体によっては、土砂災害警戒情報の発表を携帯電話のメールで自動的に配信するサービスを提供している場合もある。上記の政府広報オンラインサイトなどで確認しておこう。

豪雨になる前に早めに避難する

 土砂災害から身を守るには、早めの避難が最も重要だ。土砂災害警戒情報や避難勧告等が出たら、近くの避難場所等にただちに避難しよう。広島市のように夜間に土砂災害が発生するケースも多い。深夜に大雨が予想される場合などは、前の晩のうちに避難することも積極的に検討したい。

 もちろん、警戒情報や避難勧告等が出される前に土砂災害が発生することもある。土砂災害が発生する前には、さまざまな前兆現象があることが知られている。表では土砂災害の種類別に前兆現象と災害発生までの時間の関係を例示している。このような前兆現象を確認したら、市町村等に通報したうえで早めに避難しよう。ただし、前兆現象は必ず現れるわけではなく、特に夜間や雨が強い状況では前兆現象を見聞きするのは難しい。雨の降り方がいつもと違う、斜面や渓流など周辺の状況がおかしいなどと感じたら、やはり早めの避難を心がけたい。

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 国土交通省によると、土砂災害の多くは木造建物の1階で被災しているという。豪雨などで避難所への避難がどうしても危険だという場合は、近隣の頑丈な建物の2階以上に逃げるか、最悪、自宅の2階や斜面から離れた部屋など少しでも安全な場所に退避するようにしよう。

 日ごろから土砂災害に関する情報の活用法を理解しておき、いざというときはとにかく早めに避難するーー。土砂災害対策から命を守るためのポイントだ。