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平成25年中の火災、1日あたり132件発生--総務省消防庁が火災状況を発表

2014.08.16

「その他火災」が大きく増加

 総務省消防庁はこのほど、平成25年中に発生した火災の状況を発表した。前年と比較して総出火件数は増加し、火災による死者は減少したことがわかった。

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 「平成25年(1月?12月)における火災の状況(確定値)」によると、総出火件数は4万8,095件で、前の年から3,906 件増加した。これは、およそ1日あたり132件、11分に1件の火災が発生したことになるという。火災種別でみると、「建物火災」が2万5,053件で前年より530 件減少したものの、「車両火災」「林野火災」「船舶火災」「航空機火災」「その他火災」はいずれも前年より増えた。特に「その他火災」は3,551件増加し1万6,342件だった。

 「その他火災」とは、建物火災から航空機火災までに該当しない火災のことで、枯れ草やごみ、立て看板が焼損した火災などすべてを含む。例年、件数としては建物火災に次いで多く、平成25年の出火件数増加分の9割は、この「その他火災」が増えたことによる。具体的に何が燃えているのについて平成25年中の「その他火災」の内訳をみると、「枯草等」8,394件、「ごみ・くず等」1,904件、「引火性・可燃物質」840件などとなっている。トップの「枯草等」による火災発生件数は、愛知県の682件が最多だった。

「放火及び放火の疑い」は17年連続出火原因トップ

 平成25年中の火災を出火原因別に見ると、「放火」5,093件(10.6%)、「たばこ」4,454件(9.3%)、「たき火」3,739件(7.8%)、「こんろ」3,717件(7.7%)、「放火の疑い」3,693件(7.7%)の順だった。「放火」と「放火の疑い」を合わせると8,786 件(18.3%)と全体の2割に近かった。

 「放火及び放火の疑い」は、これで17年連続の火災原因トップということになる。もっとも、これでも近年減少傾向にあり、10年前の平成15年は1万4,061件で火災全体の25%を占めていた。放火された場所で最も多いのは「空地、河川敷、田畑等」の2,292件、以下「公園」680件、「住宅の居室」518件と続く。このほか昨年の放火火災は、「3月」(963件、11.0%)、「日曜日」(1,365件、15.5%)、「20~21時台」(919件、10.5%、時間帯不明を除く)に多かった。

 近年喫煙率の低下が著しいたばこだが、出火原因としては毎年のように上位にあり、平成25年の原因件数は前年よりも242件増えた。3位のたき火にいたっては前年より1,309件、53.9%も増加している。厳然たる犯罪である放火はもちろんのこと、たばこやたき火による火災も、火の不始末という点では間違いなく人災だ。最も危険な出火原因となっているのは、実は私たち人間である。

住宅火災の死者、高齢者の占める割合が7割超える

 平成25年中の火災による総死者数は1,625人で前年より96人減少した。負傷者数は6,858人で32人増加した。

 住宅火災による死者数は997人と前年より19人減ったが、このうち65歳以上の高齢者は703人となり、前年から26人増えて死者の70.5%を占めた。ここのところ、住宅火災による死者は1,000人を若干超えた値で推移してきており、1,000人を割ったのは平成14年以来11年ぶりのことだ。しかし、65歳以上の高齢者が占める割合はじりじりと高まっている。平成15年には56.6%だったが、10年を経過した昨年初めて7割を超えた。市に至った経過別では51.1%(562人)が逃げ遅れだった。「住宅火災」で「逃げ遅れ」て亡くなる「高齢者」が多い。そんな実態が垣間見える。

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 住宅火災ではないが、昨年10月11日、福岡市内の整形外科医院で発生した火災は死者10人を出す惨事だった。亡くなった前院長夫妻、入院患者8人の10人全員が70歳を超える高齢者だった。国内の火災で死者が10人を超えたのは、平成21年3月の群馬県渋川市の老人施設の火災以来、医療機関では昭和48年3月、福岡県北九州市の総合病院で発生した火災以来だという。これらの火災でも高齢者が犠牲になっている。入所・入院中であれば、思うように身体を動かせない人が多かったに違いない。災害が発生すると、社会の最も弱い部分に被害が集中するという。人災としての火災にも同じことが言える。