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震災から3年、日常を生きる―写真レポート

2014.02.28

 不定期に取り組んでいる東日本大震災被災地取材の一環として今年1月、bside編集部スタッフは福島県内のいくつかの市と宮城県仙台市を訪ねた。「被災地」には、日常と笑顔を取り戻そうと生きるたくさんの人々がいた。取材先でお世話になった方々のスナップ写真を紹介する。震災から3年、「災害と人間」を考える手がかりになればと思う。

仙台市の佐藤さん

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 仙台市荒浜(若林区)の震災前後の写真を撮り続けている佐藤豊さん。荒浜の自宅が津波で流され、現在は太白区に居住する。佐藤さんには、車で4時間ほど荒浜周辺を案内してもらった。






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 佐藤さんが、震災前後の写真を屋外展示している施設「里海荒浜ロッジ」。









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 荒浜の海。海水浴場があった。










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 ここに佐藤さんの自宅があった。










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 震災当日、佐藤さんは運転中にこの場所で「白っぽい壁のような」津波を目撃した。津波の高さは、遠くに見える電線の上まであった。バック運転で必死に逃げたという。






二本松市の芹川さん

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 浪江町から避難し、浪江焼きそばの店を再開した杉乃家・芹川輝男さん。店は市民交流センター内にある。浪江には20軒以上の焼きそば店があったが、現在本物の「浪江焼きそば」が食べられるのはこの店だけ。

 「昨年のB1グランプリ受賞(B級ご当地グルメで地域活性化を図るイベント)は確かに嬉しいが、イベントのときだけしか食べられないのはいかがなものか。ここには生きがいをなくして、無為に日々を過ごしている人が多数いる。きちんと人材を育てて各地に店を出させ、雇用につなげなければ本物の復興にならないのではないか」と言う。

 店内には美しいブルー地に「がんばろう!浪江 ありがとう二本松」の大きな文字。この青は浪江の海の色であり、智恵子の本当の空の色だとも(二本松市は『智恵子抄』で有名な高村智恵子の故郷)。笑顔の優しい不屈の人。そんな芹川さんを慕って、浪江からの避難者やボランティアの若者らで店内はほぼ満席だった。


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 のれんは浪江の店から運んできて使っている。









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 焼きそばはもちもちした食感の絶品で550円と安い。








いわき市の猪狩さん

 震災・原発事故をテーマにした短編小説『ソバニイルヨ』を自費出版した元郵便局長・猪狩弘之さん(四倉町)。福島第一原発から35キロ圏内に居住、自宅の「喫茶レオ」は床上まで浸水した。震災と原発事故後、復興支援活動を続けている。『ソバニイルヨ』の紙芝居もつくり、朗読会なども開催している。「涙活」ふくしま代表でもある。

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 猪狩さんが自費出版した『ソバニイルヨ』。

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いわき市の押田さん

 「押田水産」(鮮魚・干物店)の押田光一・恵子夫妻、被災犬のチャコ。津波は恵子夫人の頭を超えるくらいの高さまで来たという。

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いわき市の高橋さん

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 割り箸製造・販売「磐城高箸」の社長・高橋正行さん(川部町)。福島、宮城、岩手3県の杉の間伐材で「三県復興希望のかけ箸」をつくった。全国間伐・間伐材コンクール会長賞やグッドデザイン賞を受賞。すでに6000セット以上を売り上げ、その一部を被災3県に寄付している。会社立ち上げの数か月後に震災・原発事故に遭遇。1か月後の余震で工場の一部も壊れ、風評で注文もストップした。一時は再開を断念しかけたが、「風評に負けたくない」と地元に残り事業継続を決断し、林業活性化のために奮闘している。

 まだ40歳と若いが、アイデア豊かな優秀な経営者。彼を知ってこの地に移住し社員になった若者もいる。現在、原発近くの汚染杉の樹皮から安全な精油を抽出する事業にも助成金を取得して取り組み始めた。工場付近には断層があり、震災1か月後の余震(4月11日の福島県浜通り地震)のときは震源に近く、本震のときよりも激しく揺れ、「電線がブランコのようにぐるぐる回って、杉山の一部も崩落した」と言う。アポなし取材にも快く応じてくれ、「なにしろ不便なところなので」と帰りは車で最寄り駅まで送ってくれた。

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 手前が気仙杉、奥が磐城杉。