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水防活動従事者に朗報! 水に落ちたら救命胴衣にはや代わりするレインコートを開発―興亜化工株式会社

2009.06.03

20090603_01.jpgこのところ国内では、ゲリラ豪雨と呼ばれる局地的な激しい降雨が頻発するようになった。残念なことに、豪雨に伴う洪水などで毎年のように尊い人命が失われている。今月は土砂災害防止月間でもある。本格的な風水害の季節が到来した。

水害などの際、特に水防活動に従事する人たちにとって有効なアイデア商品が登場した。各種救命機器などを製造する「興亜化工」(本社・東京都)は、水中に没すると瞬時に救命胴衣になるレインコートを開発、水防活動などでの活用を呼びかけている。

水没後5から8秒で自動膨張

レインコートの商品名は「水防用救命胴衣付き合羽」。現在、特許出願中の同商品の仕組みはいたってシンプルだ。レインコートの内側に圧縮された救命胴衣が収納されている。救命胴衣には小型のガスボンベなどを仕込んだ自動カット装置が接続されており、この装置に水が触れることで自動膨張する。救命胴衣は、水中に全没後5から8秒で膨張するといい、手動でも膨らませることができる。

商品化にあたっては、さまざまな工夫が施された。救命胴衣は取り外し式のため、レインコートが汚れたり破損したりした場合でも、レインコート部分のみを交換すればよい。カット装置もガスボンベなどを取り替えれば何度でも繰り返して使用することができる。

経済的なばかりではない。安全性についての配慮も行き届いている。まず、水にぬれて自動膨張するのはレインコートの内側からの浸水に限られる。外側がいくら雨に打たれても勝手に膨らむことはない。また、膨張を前提にしているため、レインコートのファスナー部分はマチ付きになっており、救命胴衣が膨らんだ状態でも首や身体を圧迫しない設計だ。さらには、夜間の活動を支える反射板やホイッスルがあらかじめレインコート表面に取り付けられている。

(写真)興亜化工が開発した「水防用救命胴衣付き合羽」
興亜化工が開発した「水防用救命胴衣付き合羽」
(写真)内側には自動膨張する救命胴衣が入っている
内側には自動膨張する救命胴衣が入っている
(写真)実際に水中で救命胴衣として使用している様子
実際に水中で救命胴衣として使用している様子

防災関連商品多数提案

同商品を開発した興亜化工は、1942年創業の船舶用救難信号や救助器具の専門メーカー。「国土交通省認定製造事業場」としてその技術は折り紙付きだ。最近は、船舶を対象にした「海」ばかりでなく、「すべての領域で人々の活動の安全を確保したい」をキーワードに防災関連の各種商品を開発して「陸」「空」にも積極的な商品展開を図っている。防災関連商品としては、今回のレインコート以外にも体温の低下を防ぐ簡易保温具「サーマルバッグ」など注目商品を多数提案している。

同社の阿部勇取締役は「水防用救命胴衣付き合羽」は、我が社期待の商品。現在ある黄色のレインコートだけでなく、材質やデザインを変えて、個人の多様な好みに対応することも考えている」と自信をみなぎらせる。商品開発担当の木村實社長補佐も「水防関係者だけでなく、海中への転落の危険がある釣り客にも最適な商品。材質の研究を重ね、より軽い救命胴衣を開発するなど、今後も商品に磨きをかけていきたい」と意気込みを語っている。すでに海洋学校の練習船への納入など、各方面の注目を集める同商品。防災担当者も要チェックだ。

(写真)熱心に商品の特徴を訴える阿部勇取締役
熱心に商品の特徴を訴える阿部勇取締役
(写真)商品開発に携わった木村實社長補佐
商品開発に携わった木村實社長補佐

興亜化工株式会社