1. ホーム
  2. 東日本大震災に関する情報|東日本大震災による津波を国は想定していなかった

東日本大震災による津波を国は想定していなかった

2011.03.18

今後も日本近海では地震が多発

日本の近海では、プレート(地殻)境界型の地震が数多く発生します。国はこうした地震が今後30年間にどの程度の確率で発生するかを公表しています。もしこれらの地震が実際に起きると、揺ればかりでなく大きな津波被害を生じる恐れがあり、東海、東南海、南海地震については津波による被害想定も明らかになっています。

想定されている地震は下図の通りです。ここで注目していただきたいのは、千葉県沖から北海道沖にかけて広がる日本海溝に数多くの想定震源域が存在することです。ただし、国が想定してきたのは、これらの地震の単発型です(宮城県沖地震を除く)。ところが今回の東日本大震災は、こうした震源域の複数が連動して発生したため、マグニチュード9.0というとてつもないエネルギーを放出したのです。つまり今回の地震と津波は、国の従来の想定を超える巨大な災害だったということです。

今後30年以内に日本近海で大地震が発生する確率(基準日:2007年1月1日)

今後30年以内に日本近海で大地震が発生する確率(基準日:2007年1月1日)

地震調査委員会報告書『全国を概観した地震動予測地図』を基に作製

東海、東南海、南海地震が連動して発生する可能性

東海地震を知らない人はまずいないでしょう。1970年代に今後数年以内に発生する可能性があるとして俄然国民の注目を集めました。この地震をターゲットとした「大規模地震対策措置法」が成立して観測網が整備され、国内で唯一予知の可能性がある地震とも言われます。通常地震名は気象庁によって発生後に命名されますが、この東海地震は発生前から名称がついている特別な地震です。

ところが近年になって、70年代以降約40年にわたって同地震が発生していないため、隣接する東南海、南海地震との連動発生が現実味を帯びて語られるようになりました。これら3つの地震が連動するとどうなるのか? 地震の規模はマグニチュード8.7程度、これによる津波は瀬戸内海沿岸を含む関東から九州までの広範囲に達すると予想されています。

表にこれら3地震の津波による想定死者数を示しました。想定数は最悪の場合に9000人となっています。今回の東日本大震災はすでに1万6000人(津波以外の被害も含む。警察庁3月18日17時発表による)を越える死者・行方不明者を数えています。つまり、今回の東日本大震災は、東海地震、東南海地震、南海地震の連動地震に匹敵、あるいはそれを超える規模だったのです。さらに言えば、今回の東日本大震災のような巨大地震と恐るべき破壊をもたらした大津波が、西日本でも起きる可能性があるということです。私たち国民は、このことをよくよく肝に銘じておく必要があります。

東海、東南海、南海地震の津波による想定死者数

地震名 死者数
東海 約400~1,400人
東南海 約500~1,500人
南海 約2,600~7,100人
東海+東南海 約700~1,900人
東南海+南海 約3,300~8,600人
東海+東南海+南海 約3,500~9,100人

※いずれも午前5時に発生した場合。数値の幅は、住民の避難意識が高いと低い場合を示す。(中央防災会議資料より作成)