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原子力災害への対応法

2011.03.15

原子力災害について理解しよう

原子力災害の特徴

原子力災害は、人間や動植物などが一定量以上の放射線を浴びることによって引き起こされる災害です。場合によっては、重大な被害をもたらすことは他の災害と同様ですが、地震や風水害、火災といった災害とは大きな違いがあります。

それは、災害の程度や被害の状況を人間が直ちに感じ取ることができないことです。放射線は目に見えませんし、音を立てるわけでもありません。もちろん、臭いも味も触感もありません。つまり、人間の五感で感じることができないのです。

そのため原子力防災においては、放射線に関する基本的な知識と正しい対応法を私たち自身が身に付けることが何よりも重要になります。

放射線は日常生活の中にも存在

放射線や放射性物質は、太古の昔から私たちの身の回りに存在しています。X線検査など医療用に使われる人工放射線のほかにも、自然放射線として宇宙からは宇宙線が絶えず注がれていますし、大地や大気中にも存在します。何より、私たち自身の体内や食物にも含まれているのです。

日常生活と放射線

図:日常生活と放射線

 

もし、原子力災害が起きたら

正確な情報を入手してください~情報収集の際のポイント

  • 市町村の防災行政用無線や広報車などの情報に注意する
  • テレビやラジオから正確な情報を入手する
  • 隣近所と情報の内容を確認し合う
  • 問い合わせのための電話は控える
  • デマに惑わされないように

防護対策が必要になります

防護対策とは、放射線や放射性物質が大量に放出された際に、周辺住民等の被ばくをできるだけ低減するために講じられる措置です。住民が受けると予想される線量が一定の指標を超えるような場合、「屋内退避」「コンクリート屋内退避」「退避」といった指示が出されます。

予測線量(※1)
(単位:mSv[ミリシーベルト])
防護対策の内容
外部被ばくによる実行線量 内部被ばくによる等価線量(※2)
10~15 100~500 住民は自宅等の屋内へ退避すること。
その際、窓等を閉め機密性に配慮すること。
ただし、施設から直接放出される中性子線またはガンマ線の放出に対しては、災害対策本部の指示があれば、コンクリート建家に退避するか、または避難すること。
50以上 500以上 住民は、指示に従いコンクリートの建家の屋内に退避するか、または避難すること。
※1 予測線量とは、放射性物質または放射線が放出されている間、何の対策もせず屋外に居続けた場合に受けると予測される線量のこと。
※2 内部被ばくによる等価線量
  • 放射性ヨウ素による小児甲状腺の等価線量
  • ウランによる骨表面、または肺の等価線量
  • プルトニウムによる骨表面、または肺の等価線量

放射線から身を守る三原則

1 適当な物質で遮へいする(屋内退避、コンクリート屋内退避)
2 できるだけ線源から距離を置く(避難)
3 被ばくする時間を少なくする(避難)

屋内退避の指示が出たら

屋内退避の効果

屋内に退避すると、屋根や壁に放射線をさえぎることができます。屋内退避には、自宅など一般家屋に入るものと、学校などのコンクリート建家の中に入るものとがありますが、予測被ばく線量が小さい場合には一般の木造家屋への退避でも放射線の影響が十分に軽減することができるのです。

屋内退避で取るべき行動

  • 換気扇やエアコンは止めます
  • ドアや窓を全部閉めます。すき間をタオルやシーツ、ガムテープなどで目張りします
  • 外から帰ってきた人は、手や顔を洗い、衣服を着替えましょう。(着替えた衣服はビニール袋に保管し、他の衣服と区別しておきましょう)
  • ペットは屋内に入れてください
  • 電話による問い合わせなどは控えてください
  • 防災無線や広報車、テレビやラジオで伝えられる情報に注意してください
  • 屋内の食品にはフタをしたり、ラップをかけてください

屋外での簡単な内部被ばく防護

マスクをしたり、水でぬらしたハンカチやタオルを固くしぼって口や鼻を覆うことで、放射性物質の吸い込みによる内部被ばくを防ぐ効果があります。

コンクリート屋内退避や避難の指示が出たら

退避の効果

コンクリート建家は木造家屋よりも放射線をさえぎる能力が高く、より高い防護効果が期待できます。また避難とは、現在住んでいる場所から放射線の影響が少ない安全な場所に移動することで、放射線や放射性物質の放出が長時間にわたると予測される場合に実施されます。

避難等の際に取るべき行動

コンクリート屋内退避や避難の指示が出たら、まず指示の内容をよく確認し、慌てず落ち着いて行動してください。

  • テレビやラジオ、広報車や防災無線などで正確な情報を把握します。どこの区域の人が対象か、一時集合場所はどこか、いつ集まるのかなどについて正しく情報を把握します
  • 貴重品を持って、持ち物は最小限に抑え、帽子や上着、長ズボンを着用する(体表面の露出をできる限り少なくすることがポイントです)
  • ガスの元栓を閉め、電気器具のコンセントを抜きます
  • 戸締まりを忘れずに
  • 家に避難先や安否情報を書いたメモを残す
  • 近所にも声をかけて、徒歩で一時集合場所に集まります
  • 一時集合場所では係員の指示に従ってください