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【第12回】中央防災会議「災害時の避難に関する専門調査会」内閣府(防災担当)

2010.11.04

「避難」の明確化が議論の中心に!

平成22年4月21日、中央防災会議において「災害時の避難に関する専門調査会」が設置され、8月26日に第1回の会合が開催されました。

同専門調査会の設置からさかのぼること6年前。平成16年の豪雨災害によって、多くの尊いいのちが失われました。これを受けて、国は「集中豪雨等における情報伝達及び高齢者等の避難支援に関する検討会」を発足。17年3月に、災害対策基本法を踏まえて、「避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン」を取りまとめ、自治体に対して避難勧告等のひな形を示しました。

ところが、平成21年7月の中国・九州北部豪雨では、山口県防府市を中心とした範囲で土砂災害が発生し、防府市では避難情報発令の遅れから死者14人の被害となりました。また、同年8月の台風9号による豪雨のため、兵庫県佐用町では増水した河川が氾濫し、避難途中の住民が道路脇の側溝に流され、9人が犠牲となりました。このほか、平成22年2月のチリ中部沿岸地震による津波では、人的被害はなかったものの、大津波警報が発令されているにもかかわらず、6割弱の住民が避難していなかったというショッキングな調査結果が発表されました。

これらの事態は、災害情報の伝達や土砂災害への対応、避難のあり方、中小河川氾濫への対応、津波避難のあり方、遠地津波への対応などが住民に根付いているのかなど、災害時の避難に関する問題を改めて浮き彫りにしました。

同専門調査会では、(1)避難の考え方の明確化、(2)避難所のあり方、(3)避難情報発令のための態勢整備、(4)防災・災害情報のあり方など、大きく4項目に分けて、避難をめぐるさまざまな課題に対する対応策を検討していきます。

内閣府政策統括官(防災担当)付災害応急対策担当参事官補佐の井上悦希さんは、中でも、(1)避難の考え方の明確化、(2)避難所のあり方は重要項目になるのではないかと話します。

今後、同専門調査会では、実際の被災事例をもとに、調査・ヒアリングを実施し、4つの検討課題について順次審議を重ねて、対策を取りまとめていくそうです。会合自体は、2か月に1回、10回程度開催し、約2年の歳月をかけて報告書を作成するとのことです。

地域の特性により避難のあり方も変わってくるでしょうが、防災担当者の皆さんには、同専門調査会の動向を参考にしながら、これまで以上に地域の特性に沿った避難対策を講じることが求められています。

「災害時の避難に関する専門調査会」の設置について

中央防災会議「災害時の避難に関する専門調査会」

※本稿はbside2010年10月号[Vol.12]に掲載したコラムを再掲載しています。