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【第9回】文部科学省「独立行政法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター」(「E-ディフェンス」を使った加震実験)

2010.07.05

実物と同じ大きさの建造物が壊れていく過程を実現

1995 年1 月に起きた阪神・淡路大震災では、木造家屋や鉄筋コンクリート造のビルをはじめ、橋、道路など多くの建造物が甚大な被害を被りました。

同震災を機に、これまでの建造物の耐震性の評価方法を見直す必要性が認識され、建造物が壊れていく過程を調べることが重要とされました。この要請に応える実験施設として2005年に建設されたのが独立行政法人「防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センター」の「実大三次元震動破壊実験施設(E-ディフェンス)」です。E-ディフェンスの特徴は、実際の地震と同じ複雑な三次元の揺れをつくり出す震動台の上に、7階建て程度の中層建物の実物大建造物などを組み上げることができます。そして、阪神・淡路大震災クラスの地震の揺れを直接与え、揺れの様子や損傷の過程などを詳細に検討できるところです。

このE-ディフェンスの実験で得たデータによると従来退避行動として推奨してきた方法(学校では机の下に退避するなど)が必ずしも実態に合わないことが明らかになりました。そこで文部科学省科学技術・学術審議会の「地震防災研究を踏まえた退避行動等に関する作業部会」では、現在、大地震の際の退避行動について再検討を行っており、2009年度中に意見をまとめる予定です。来年度には実際に人間をE-ディフェンス上に乗せて実験し、より良い退避行動を見つけ出していく方針です。

下写真は、長周期地震動による高層階の大振幅を再現したものです。オフィスシステムやリビング、寝室、子ども部屋、屋上のパラボラアンテナなどにおける危険性や耐震対策の効果を検証しています。

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独立行政法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター E-ディフェンス(加震実験映像)

※本稿はbside2010年1月号[Vol.09]に掲載したコラムを再掲載しています。