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【第7回】国土交通省(緊急災害対策派遣隊・TEC−FORCE)

2010.07.05

大規模災害時に早期復旧支援などを手がける心強いチームが誕生

被災状況調査班による被災した道路調査
被災状況調査班による被災した道路調査

大規模災害が起きたときには、自衛隊をはじめ、警察庁の「広域緊急援助隊」、消防庁の「緊急消防援助隊」、厚生労働省の「災害派遣医療チーム」など、各省庁から選りすぐりの専門家チームが被災地の復旧支援に駆けつけます。

こうした組織が被災者の人命救助などを目的としているのに対し、国土交通省が平成20年5月に創設した「緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)」は、「大規模自然災害における被災状況の迅速な把握や被災地の早期復旧に関し、地方公共団体等に対して技術的支援を円滑・迅速に実施する」ことを目的にしています。

TEC-FORCEは、国土交通省本省、全国の地方整備局、地方運輸局、国土技術政策総合研究所などの職員から構成され、先遣班、現地支援班、情報通信班、高度技術指導班、被災状況調査班、応急対策班、輸送支援班、地理情報支援班、気象・地象情報提供班の各班から成ります。活動内容は、被害状況の調査、被害の拡大防止、早期復旧に関する地方公共団体等の支援を行うことで、隊員数2,563 人を数えます(平成20年10月1日現在)。

昨年6月、最大震度6 強を観測した岩手・宮城内陸地震の発災時には、被災地にいち早く乗り込み、発災後1週間以内に土砂災害危険箇所の点検や道路の被災状況の調査を行い、地方公共団体にその結果を報告。また、川が堰き止められてできた巨大な水たまり「河道閉塞(天然ダム)」の場所をヘリコプターなどを使って早期に発見し、その危険度の判定にも当たるなど、土木・建設の専門的な技術を生かした派遣活動は高く評価されました。

制度化されてまだ約1年。同省防災課災害対策室の野仲典理さんは、「スキルアップや体制充実を急いでいるところです」と話します。今後は、TEC-FORCEが能率的に活動できるようにするために、全国に存在する事務所・出張所、河川防災ステーション、道の駅などの情報通信機能を持つ拠点を防災活動拠点として活用することに加え、大規模災害が発生した際に、全国から被災地に派遣される人員・資機材の一次集結・待機・配分等を行うための移動や運搬の便が良い前線基地を大都市圏に複数確保していくそうです。

地震や風水害などの自然災害は毎年のように発生し、いつ、どこで大規模災害が起きても不思議ではありません。「地方公共団体等には被災状況の情報提供はもちろん、大規模な復旧工事などは経験がないと思いますので、国が持っているノウハウや実績を積極的に提供していきたいと思います」(野仲さん)。まさに地方公共団体にとっては心強いチームが誕生したといえます。

大規模災害時のTEC-FORCEとの連携を見据えて、地元の地方整備局などとの日常的な関係強化が求められます。

岩手・宮城内陸地震に派遣された緊急災害対策派遣隊の活動の様子 岩手・宮城内陸地震に派遣された隊員は被災箇所の調査や復旧工法の指示を行う。
先遣班(国交省緊急調査団、写真上)
高度技術指導班(応急復旧工法、写真中)
応急対策班(写真下)
国土交通省(緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)の創設が決定)

※本稿はbside2009年7月号[Vol.07]に掲載したコラムを再掲載しています。