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【第6回】国土交通省(まるごとまちごとハザードマップ)

2010.07.05

市民の生活に溶け込んだ新しいタイプのハザードマップ

都内での設置例。電柱上部の青色のラインは予想される浸水深を示す(国土交通省関東地方整備局提供)
都内での設置例。電柱上部の青色のラインは予想される浸水深を示す(国土交通省関東地方整備局提供)

洪水ハザードマップの整備促進が求められるなか、国土交通省は平成18年から新たな取り組みを始めています。その名も「まるごとまちごとハザードマップ」。街角の電柱や橋脚に洪水の危険を示す標識をはり出すことによって、河川がはん濫したときに予想される浸水の深さや、洪水時の避難場所をわかりやすく表示するものです。視覚的にも読み取りやすく、歩きながら自分の街の危険性を体感できるだけでなく、避難所の場所まで日ごろから知ることなど、いざというときに的確に行動するための知識を得られることが特徴です。市民の生活空間をまるごとハザードマップに見立てることによって、これまで防災に興味がなかった市民の意識の向上に、一役買うのではと期待されています。

しかし「まるごとまちごとハザードマップ」の普及率は、決して高いとは言えないのが現状です。国土交通省では平成18年度から全国で取り組んでいるものの、平成20年度までで109水系のうち27水系での設置に留まっています。全国の市町村に行き渡るまでには、まだまだ時間がかかりそうです。災害個所を明示することが地権者などにとってデリケートな問題であること、財政難の自治体にとって設置費用が負担になることなど、課題は少なくありません。

それでもマップが全国に普及すれば、地域防災力向上に大いに威力を発揮するでしょう。「地道にコツコツと普及に努めていきたい」と話すのはマップのPRに努める同省防災課災害対策室の藤田司さん。「このマップを通して、特殊な存在だと思われている防災情報を、もっと身近に感じてもらえるようにしていきたいです」(同)。目下の目標は109水系のすべてに何らかの措置をとること。防災行政担当の皆さんにも、洪水ハザードマップの整備とあわせて検討していただきたい取り組みです。

<3つの洪水関連記号>

洪水 1. 洪水
[意味]河川がはん濫した状態を示す。
[目的]当該地域が洪水の影響を受ける可能性がある地域であることを示す。
洪水時避難所(建物)
2.洪水時避難所(建物)
[意味]洪水時安全な避難所(建物)を示す。
[目的]洪水時の避難先となる安全な建物を示す。
堤防
3.堤防
[意味]居住している地域を守る堤防を示す。
[目的]当該地域が堤防によって洪水から守られている(河川のはん濫時には浸水する可能性がある)地域であることを示す。
国土交通省(まるごとまちごとハザードマップの推進)

※本稿はbside2009年4月号[Vol.06]に掲載したコラムを再掲載しています。