1. ホーム
  2. コラム
  3. 防災行政の力点
  4. 【第5回】総務省消防庁(消防団員入団促進キャンペーン)

【第5回】総務省消防庁(消防団員入団促進キャンペーン)

2010.07.05

消防団員全国100 万人の実現が目標
女性団員の獲得をターゲットにさまざまな対策を展開

005.jpg (左)タレントの安めぐみさんを起用したキャンペーンのポスター
(右)新たに制作したPRビデオ「熱き想い、熱き心を!」のジャケット

総務省消防庁は1月から3月まで、「消防団員入団促進キャンペーン」を実施します。期間中各種イベントを開催するなど広報活動に力を入れ、より多くの消防団員確保を目指します。同キャンペーンは平成18年度から始まり今年(平成21年)で3回目。

消防団は、消防組織法に基づいて市区町村が設置する消防組織で、消防本部などの「常備消防」とともに地域の消防活動を担います。しかし、全国で消防の常備化が進み、少子高齢化や人々の就業形態の変化などもあって、団員数は減り続けています。昭和29年の200万人あまりから、現在では88万8900 人(平成20年4月1日)にまで減少しました。もちろん常備消防の整備が全国に行き届いてきたことの裏返しでもあるわけですが、常備消防だけでは対応できない大規模災害の発生が想定されるなか、総務省消防庁は100万人の消防団員確保を目標に掲げ、入団促進キャンペーンを続けています。

今年(平成21年)のキャンペーンの重点は、女性・大学生・被雇用者などの入団促進。なかでも女性の入団促進に期待が集まっています。というのも、全体の減少傾向とは対照的に女性団員は増加しているからです。平成20年の女性団員数は1万6699 人を数え、10年前に比べて倍増しました。現在はいまだ全体の約2%という比率にとどまりますが、これを10%にまで高めることが目標といいます。具体的には女性を主人公としたPRビデオを制作したほか、女性向け雑誌への女性消防団員の特集記事の掲載、女性向け入団促進パンフレットの作成・配布など多様な取り組みを展開する予定です。

同庁の阿出川悟対策官は「消防団員は高い技術をもち、大規模災害時に欠かせない存在。自治体や常備消防の職員の皆さんも、消防団員と一緒になって、地域で入団の働きかけをしてほしい。現にそのような取り組みをされたところでは入団数が増えています」と強調し、今年(平成21年)のキャンペーンの成果に期待しています。

主な増員への取り組み事例

自治体名 平成20年 平成19年 増加数 主な活動内容
青森県
五所川原市
988 963 25
女性消防団員の新規採用
・3地区のうち1地区で地区本部付の女性団員を新たに募集したところ、19人が入団
・市の広報で女性消防団員募集記事を掲載。従来女性団員が活動していた1地区で女性が8人増加これらの取り組みにより、計27 人の女性が増加
東京都
特別区
14492 13829 663
街頭一斉募集活動
・特別区内全域(駅前や商店街など323 個所)で、延べ3809 人の消防団員・消防職員が参加して募集活動を実施
個別訪問等の勧誘
・各分団長が受け持ち区域内の住戸を訪問、粘り強く入団を働きかけ
大学生等に対する募集活動
・大学の学生食堂での募集活動や運動部OBが母校で直接部員に働きかけを実施したことなどにより大学生等が58 人増加
岐阜県
下呂市
1344 1278 66
機能別団員(災害支援団員)の導入
・消防団員の実員数の不足を補うため、機能別団員として災害支援団員制度(元消防団員または元消防職員として原則10 年以上の消防経験を有する者や災害等の支援に必要な技術を有する者)を導入、68人が入団
福岡県
福岡市
2457 2392 65
消防団員確保対策検討委員会の設置
・格段の本部部長と各所の消防係長で構成する委員会を設置、団員の確保・PR・活性化の3本柱で活動
・消防団ごとに数値目標を定め、分団長を中心に勧誘活動を強化
・予防広報の推進を目的に女性団員の採用枠を拡充したことなどで女性が19人増加
・広報活動(ホームページ作成、区役所等へのポスター・リーフレットの配布、街角ビジョンの活用など)
・大学等へ呼びかけ、大学生等が2人増加
・被雇用者団員に対する企業の協力を求めるなど、活性化策として団員の会社情報の把握に努めた
消防団員入団促進インフォメーション

※本稿はbside2009年1月号[Vol.05]に掲載したコラムを再掲載しています。